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闇金から借りるのは絶対避けるべきですが、それ自体が犯罪というわけではありません。
それなのに取引しているだけで共犯者扱いされ、銀行口座を凍結されることがあります。
この原因になっている「客振り」について説明します。
結論として、今は闇金と取引するだけで長期間、銀行口座が持てなくなるリスクが増しています。
そうなると、まともな仕事に就けず、人生を棒に振る危険があることもお話します。
まず、「客振り」の具体的手法を説明し、なぜ闇金がこの手法を好むのかを説明します。
闇金の返済は返済日の直前に銀行口座を指定されて振り込むのが普通です。
その銀行口座として、関係ない別の客の口座を指定するのが客振りです。
たとえばあなたが3万円返済する必要があり、田中さんという闇金の客が3万円の融資を受ける予定だとします。
闇金が指定してきた田中さんの口座にあなたは返済分3万円を振り込むよう求められるわけです。
かもめ銀行 いろは支店 口座番号111111 名義 田中一郎
まず、あなたからの回収と田中さんへの貸し付けが同時に済みます。
しかし、それより大きいのは銀行口座が凍結された時に自分で被害を被らなくて済むことです。
口座凍結とは、銀行に口座の操作を止められ、お金を引き出せなくなることです。
凍結されるのはあなたの口座であって、闇金には何の被害もありません。
闇金は犯罪行為なので、使用する口座は常に凍結の危機に晒されているのです。
凍結の契機
従来、闇金は他人名義の銀行口座を不正に購入して使っていました。
しかし近年、口座開設の際の銀行の審査が厳格化して入手が以前より困難になったため、相場は高騰しています。
以前のように凍結されるたびに使い捨てにはできなくなってきました。
しかし、「客振り」ならコストゼロです。
凍結されるのはあなたの口座で、あなたという客を使い捨てればいいだけだからです。
加えて不正入手した口座情報を手掛かりに警察の捜査が及ぶ心配もしなくて済みます。
真っ先に警察に調べられるのは、闇金ではなくあなたです。
客観的には闇金の融資の代行であり、あなたは闇金の共犯者に見えます。
あなたは「闇金の被害に遭い、指示に従って振り込んだだけ」と言うかもしれません。
しかし、本物の共犯者だってそれくらいの嘘はつくでしょう。
あなたの「客振り」と共犯行為を区別するものは、少なくともぱっと見には何もないのです。
警察や銀行は言うまでもなくそういう見方をしてきます。
さて、この節の最後に、指示された返済が「客振り」かどうか見極める方法を示しておきます。
闇金は違法業者なので、三井住友銀行とかアコム株式会社といった自社名義の銀行口座はありません。
下記のような第三者の口座を振込先に指定してきます。
かもめ銀行 いろは支店 口座番号111111 名義 田中一郎
この口座が違法に入手した他人のものか、闇金の客のものか見分ける方法はあるでしょうか?
「入金を完了したら、連絡するように」と指示されたら、客振りの可能性が高いです。
違法に入手した口座でも、自分で管理していれば振り込まれたかどうかはわかるはずだからです。
客振りをすると、闇金の共犯に間違われて口座凍結される危険があることをわかってもらえたはずです。
ここでは口座凍結がどのように起こり、続いて何が起きるかを説明します。
「振り込め詐欺救済法」という法律があります。
正式名称は、「犯罪利用預金口座等に係る資金による被害回復分配金の支払等に関する法律」です。
この法律は、「犯罪利用預金口座」は適切に判断して凍結せよと定めています。
「犯罪利用預金口座」とは、闇金や振り込め詐欺に使われた可能性のある銀行口座のことです。
「客振り」に応じると、この法律に基づいてあなたの口座が凍結される可能性があります。
闇金に借りただけで、あなたは何も犯罪を犯した覚えはないのにです。
あなたが「客振り」をした田中さんが警察や弁護士・司法書士に相談に行き、振込元としてあなたの口座を提示します。
彼らの目からは、あなたこそが闇金、少なくとも手先です。
警察や法律家はこれを「犯罪利用預金口座」として銀行に凍結を要請します。
そしてある日、銀行から凍結の通知が来てお金は引き出せなくなっているというわけです。
田中さんが警察や法律家に駆け込まなくても、いろいろな人に客振りしていれば、そのうち誰かが駆け込みます。
あなたの口座は早晩凍結される運命にあると言っても過言ではありません。
凍結された口座が生活費のプール場所であっても、それはもはや引き出せません。
食費の確保さえままならなくなります。
同じ銀行にあなた名義の別の銀行口座があれば、全部凍結されます。
例えば定期預金の口座がある場合、それも引き出せなくなります。
「ほかの銀行にも口座があるから大丈夫」ーーそれ、大間違いです。
最初に凍結を実行した銀行は、「預金保険機構」という機関に「犯罪利用預金口座」の公告を依頼します。
情報が他の金融機関にも共有され、あなた名義の口座が次々に凍結されます。
銀行・信用金庫・農協などを含め、どこからも現金を調達できなくなります。
昨今はまったくホワイトな人でも、銀行の口座開設に当たっては慎重すぎるほどの審査をします。
もはや全金融機関が銀行口座を犯罪に使う可能性がある人物と見なしているあなたは絶対無理です。
すべての問題が解決した後も、多くの金融機関が長きに渡って慎重な姿勢を崩さないでしょう。
口座が凍結されると、クレジットカードの引き落としができなくなり、カードが止められます。
返済が止まったままではブラックリスト入りし、問題解決後も長くカードを作れなくなります。
今日、ほとんどの企業が給料を振り込みで支払っています。
口座が凍結されると振込ができなくなります。
他人名義の口座への給料振込は違法なので、「親か友達の口座に振り込んで」というのは無理です。
事情を説明をすれば現金手渡しに応じてくれるでしょうが、社内での信用はがた落ちでしょう。
タイミーなどでは現金手渡しの仕事はないので、バイト収入の確保さえ難しくなります。