PR
今、後払い(ツケ払い)サービスが勃興してきています。
これに乗じて増殖している「後払いサービスに偽装した闇金」の手口の詳細を紹介します。
そして、一見逆の「先払い買取現金化方式」の闇金が実は類似の構造であることもご説明します。
後払いサービスそのものは違法ではなく、最近どんどん伸びている決済方法です。
そういう巷で流行っている合法的なものに似せることで受け入れのハードルを下げているが、実質は闇金という点が問題なのです。
そこで、まずはちゃんとした後払いサービスの方を簡単に説明します。
商品を購入する時に「後払い」を選択すると、先に商品が届き、その後で振込やコンビニで支払う形になります。
一応審査はありますが基準は緩く、未払い履歴があるなどの場合を除いて利用できる場合が多いです。
海外ではBNPL(Buy Now, Pay Laterの略)と呼ばれ、クレジットカードに変わる決済手段として注目されているものです。
クレジットカードを持たないZ世代の間で人気が高まっています。
海外でのBNPLの代表はPaidy(ペイディ)ですが、国内の有名事例があることが闇金にとって重要です。
例えば、コンビニでの「NP払い」や「ZOZOTOWNのツケ払い」が身近なものになる。
すると「それに近いもので危険なものではないだろう」とユーザーに錯覚させることができるからです。
ネットプロテクションズ
日本のBNPLサービスの先駆者で、現在国内BNPL市場で40%以上のシェアを持っています。
2002年に日本初のリスク保証型のEC向け後払い決済サービス「NP後払い」の提供を開始。
続いて会員制の後払い決済サービス「atone(アトネ)」や、BtoB向けの「NP掛け払い」などを展開してきました。
ZOZOTOWN
大手アパレル通販のZOZOTOWNも後払いを選択できるようにしました。
しかし、ZOZOTOWN自身がこの決済サービスを運営しているわけではありません。
インターネット大手GMOのグループ企業であるGMOペイメントサービスがZOZOTOWN向けにサービス提供しているのです。
ユーザーが後払いを選択をするたびに、GMOペイメントサービスがZOZOTOWNから債権を買取り、回収を実行します。
支払場所はコンビニです。
2021年の世界のBNPLの市場規模は約510億ドル(約5兆8,981億円)とのこと。(Report Ocean調べ)
国内においてもBNPL市場は堅調に伸びており、矢野経済研究所の調べでは、2024年度には2019年比2.7倍の1兆8800億円まで拡大する見通し。
とにかく、最近どんどん伸びている、流行っているものなのです。
後払いの請負は、犯罪収益移転防止法に基づく本人確認義務もなく、事業コストが低い一方、焦げ付きリスクも高いビジネスモデルです。
そのリスクを下げるため、利用額を小口化し、短期間返済(一括払いが主流。分割は多くても数回。)に設定しています。
利用限度額は数万円から20万円程度。
利用額が小口で一括払いという外観も闇金が似せやすいスペックで、好都合です。
ではいよいよ、BNPLに見せかけた闇金の手口の説明です。
その金利も検証し、実質は明確に違法な闇金であることを示します。
そして最後に一見見かけが違う「先払い買取型闇金」と同じカラクリであることを説明しましょう。
闇金が商売をするには、最初に現金を渡す行為が必要です。
後払いで買った商品をすぐに転売&現金化するというプロセスを入れることでこれを実現します。
「後払い(ツケ払い)ファクタリング」とか「後払い現金化」と呼ばれるものです。
といっても商品が家に送られてきて、それを改めて売るわけではありません。
買取サービスは売り手が紹介します。
別業者を装っていますが、販売業者も買い取り業者も同一人物です。
商品を買ってすぐ売ったことにして、一度も商品を動かすことなく、現金を渡すところがポイントです。
つまり商品取引は見せかけにすぎず、実質は融資だということです。
すると後払いは、実質は返済ということになります。
そして返済額と融資額の差額は利子ということになり、それが違法に高いと実質は闇金だということになります。
実際にそうなのです。
ブラックOKで即現金化
後払い期間が2か月以内の場合、割賦販売法の規制を受けません。
翌月一括払いの場合はもちろん規制を受けません。
よって金融取引でブラックリスト入りしていても利用可能です。
業者はこのことを利用者に伝えて誘い、「これは借金(借入)ではない」と説明します。
確かに現行の法ではブラックでも使えるし、借金でもないが、実質はどうなのかという問題です。
これは法律の抜け穴を利用した闇金なのです。
日本貸金業協会、財務局、金融庁、警察庁、消費者庁は連携して、この手口への注意喚起を行っています。
参考:「ツケ払いで荒稼ぎする悪質業者の手口」(ダイヤモンド・オンライン)
実際のお金の流れの例
行為 | お金の流れ | |
---|---|---|
1 | 13,000円の服を後払いで買う | |
2 | それを購入直後に10,000円で売る | 10,000円受け取る |
3 | 翌月の給料日に後払い分を支払う | 13,000円支払う |
結果 | 収支はマイナス | ▲3,000円 |
この取引を商品売買ではなく、融資とみなした場合、月の利子は3,000円、よって月利30%と考えられます。
ツケ払い偽装闇金の金利はだいたい月15~30%が相場と言われています。
年利に換算するには12か月分で見ればいいので、12倍します。
月利 | 年利換算 |
---|---|
15% | 180% |
30% | 360% |
利息制限法の上限金利(年利)
金利は法律で上限が定められており、貸付額に応じて3種に分かれています。
貸付額 | 10万円未満 | 10万円~100万円未満 | 100万円以上 |
---|---|---|---|
上限金利 | 年20% | 年18% | 年15% |
参考: 法定上限金利(日本貸金業協会)
金利の検証
先ほどの例では買い物は13,000円の服でした。
このように後払い現金化の手口での貸付額は10万円以下の場合が多く、法定上限金利は年20%です。
月利15%は年利180%で、法定上限の6倍、月利30%ならその2倍ですから法定上限の12倍です。
明らかに上限を超えており、それも上限の6~12倍という話ですから、これは本質的に闇金以外の何者でもありません。
破滅への道
1万円借りて翌月に1万3千円返すというのは、1回や2回の急場しのぎには役立つ場合もあるかもしれません。
しかし、ずっと続くと返しきれない大きな負担になってきます。
ついには債務整理(任意整理、個人再生、自己破産)につながっていく可能性大です。
日本貸金業協会や各省庁は「形式的には商品の売買であっても、その経済的な実態が貸し付けであり、業として行う場合には、貸金業に該当するおそれがあります。貸金業登録を受けずに貸金業を営む者は、違法なヤミ金融業者です」と指摘しています。
しかし、現状は規制をかけたり、処罰することまでは必ずしもできないのです。
そこに至るまでには、貸金業界や監督官庁での議論や新しい法律の制定が必要です。
あるいはこれが社会問題になり、裁判が起こされて、「実質的に貸金業」と認める判例が出ることがきっかけになるかもしれません。
規制ができるまでの間、私たちは自分で勉強して自衛しなければなりません。
そしてもし引っかかってしまった場合は、法律家に相談してください。
新しい手口なので難しい面もありますが、できるだけの対策を考えてくれるはずです。
最後に、この手口が別の流行の闇金の手口と見かけが違うだけで、実質は同型だという話をしましょう。
先払い買取現金化の手口
後払い現金化では闇金は販売者の役でしたが、こちらでは中古品買い取り業者の役を演じます。
ユーザーから中古パソコンなどを買い取ったことにし、代金を先払いしてきます。
しかし、ユーザーは最初から買い取ってもらう商品(中古パソコン)などを持っておらず、商品を送りません。
これは相手(闇金側)も最初から承知というか、そもそも相手の指示です。
そこでユーザーは約束を破ったということで、翌月に買い取り代金を返金し、違約金も払います。
これは中古商品の買取を偽装しているが、架空の取引であり、実質的には融資です。
買い取り代金が融資の元金に相当し、違約金が利子に相当します。
両手口の比較
後払い現金化 | 先払い現金化 |
---|---|
販売業者Aから13,000円の服を後払いで買う | 買取業者に古着を10,000円で売る |
直後にその服を買取業者Bに10,000円で転売する | ↓ |
業者Bは買取代金10,000円を振り込む | 業者は代金10,000円を先払いで振り込む |
↓ | 商品は送らない(架空の商品なので送れない) |
↓ | 業者は買取代金の返金と違約金の支払いを求める |
ユーザーは後払いの13,000円を業者Aに支払う |
ユーザーは買取代金10,000円と違約金3,000円 |
業者Aの儲け3,000円 | 業者の儲け3,000円 |
後払い現金化では販売業者Aと買取業者Bの2業者が登場するが、実際は両社は同一業者です。
2つの手口は闇金の演じる役が逆なだけで、商品取引を装った貸付行為であることは共通です。
銀行や消費者金融などの合法的貸金業者を相手の債務整理を扱う法律家は多いです。
しかし、闇金は危険で儲からないので扱わない方針の事務所が多いです。
ここでは闇金トラブルを解消できる法律家を紹介します。
大阪の有名な司法書士事務所。
闇金問題は電話で解決するので全国対応です。
元金返済も拒否の姿勢でしっかり交渉してくれる剛腕司法書士です。
たいてい受任即日に取り立てが止まるとのお話です。
電話をもらったその場で解決策を提示してくれます。
*
【NHK特集番組に出演(8:03付近)】
代表司法書士 | 奥野正智 (大阪司法書士会第2667号) |
---|---|
事務所所在地 | 大阪府大阪市北区東天満1丁目11-15 若杉グランドビル別館2F |
アクセス |
JR東西線 大阪天満宮駅(JR2番出口を出てすぐ) |
フリーダイアル 0120-776-031
年間1,000件を超える闇金解決の実績を積み上げている有名司法書士事務所です。
認定司法書士なので、闇金以外の通常の債務整理もワンストップで処理可能です。
スピード解決をモットーとし、どうしても無理な場合を除いて原則は受任するポリシーです。
代表司法書士 | 川﨑純一 (大阪司法書士会 第4687号 / 簡裁訴訟代理等認定番号 第712032号) |
---|---|
事務所所在地 | 大阪府大阪市中央区淡路町1-4-9 TPR北浜ビル7階 |
アクセス |
地下鉄 堺筋線 堺筋本町駅 徒歩4分 |
フリーダイアル 0120-854-020
上記2社を含め、闇金に対応できるおすすめの法律家を集めて紹介しているページがあります。
それにとどまらず、ヤミ金に関する情報を包括的に紹介しているので、非常に参考になるはずです。