八尾ヤミ金事件|闇金事件簿

八尾ヤミ金事件|闇金事件簿

踏切自殺のイメージ

【イメージ写真】

PR
八尾ヤミ金事件は、闇金に追い込まれた被害者の家族3人が同時に電車にはねられて自殺したものです。


その悲惨さは、世間がヤミ金融問題に注目する一つのきっかけになりました。


この事件の概要をお届けします。


この記事を書いた人: 徳野 制


闇金を止められる法律家

凄惨な自殺追い込み事件

事件の概要

2003年6月14日、大阪府八尾市の主婦(当時69歳)と夫の清掃作業員(当時61歳)と主婦の長兄(当時81歳)の3人が、JRの踏切で投身自殺する事件が起きました。


主婦は、闇金による執拗な取り立てを苦にした遺書を残していたため、捜査が進行。


闇金業者8人を特定して、6人を逮捕しました。


統括は妻の母国であるルーマニアに逃亡していましたが、ルーマニア警察に逮捕されて強制送還。


ただ、店長だけは逃げおうせて2011年に公訴時効が成立しています。


苛酷な取り立ての実態

親族の入院費などがかさんで自己破産した主婦は、最初2003年4月8日に090金融「アクセス」から1万5000円を借りました。


その直後に同じグループの闇金「友&愛」が勧誘し、主婦は「アクセス」に借りた金を返すために借りました。


ここから同グループの2社による脅迫的暴力的な取り立てが始まりました。


完済しても完済を認めず、無関係な近隣住民への暴力を示唆したり、法外な延滞金を要求してその支払いが1日遅れただけで新たに迷惑料を要求するなどもしました。


5月には八尾警察に相談に行き、警告電話をかけてもらいましたが、警察に相談されたことに腹を立て、さらに脅迫しました。


6月14日、ついに主婦は夫・兄とともに自殺しました。


闇金に初めて借りてから自殺までわずか2カ月あまりです。


事件の影響

この事件はヤミ金犯罪史上最悪のケースのひとつに数えられています。


この事件をきっかけに出資法、貸金業法が改正され、闇金の刑事罰が懲役5年以下から10年以下に引き上げられました。


これはヤミ金対策法と呼ばれています。


付記

同時代のもうひとつの大きな闇金事件として五菱会闇金融事件があります。


こちらは一般庶民の悲惨な被害ではなく、国際的な経済事件として注目を集めました。


これらの事件は闇金の歴史の文脈の中で捉えれば、いっそう理解が深まります。


よくある質問 Q&A

八尾ヤミ金自殺事件に関するよくある質問をまとめました。


Q1. 八尾ヤミ金事件ってどんな事件?
* 闇金に苦しめられた家族3人が電車に飛び込み自殺して死亡した痛ましい自殺事件です。


Q2. いつ、どこで起きた事件?
* 2003年(平成15年)、大阪府八尾市で起きた事件です。


Q3. 事件の歴史的位置づけは?
* 五菱会闇金融事件とともに、史上最悪の闇金事件とされています。


Q4. 事件の影響は?
* 出資法と貸金業法の改正、および闇金の刑事罰の厳罰化につながりました。


Q5. 家族・友人の被害は経済支援をすべき?
* いいえ。闇金は完済できないようにできています。支払い能力のあるいいカモになってしまい、火に油を注ぐだけです。


Q6. 警察は取り締まってくれるのか?
* 脅迫・暴力があった場合は警察が動いてくれます。しかし、そこまで至らない場合は、民事不介入の原則に従い、何もしてもらえません。


Q7. では、どうしたらいい?
* 解決できるのは、司法書士・弁護士などの法律家です。


闇金トラブルを解決できる法律家