闇金の保証金詐欺の手口

闇金の保証金詐欺の手口

PR
保証金詐欺という手口は昔からあります。

 

融資の条件として保証金の支払いを要求し、支払うと連絡を絶つものです。

 

これは高金利を取る手法ではないので、闇金というよりは金融を装った詐欺です。

 

今回はこのテーマについて説明します。

 

目次


闇金の保証金詐欺の手口

お金を借りるのに保証金が必要なんて話に騙される人がいるの?

 

そう思う人もいるかもしれませんが、これはこれでよくできた手口なのです。

 

昔から現在に至るまで、被害者が出続けています。

 

その手口をご紹介しましょう。

 

 

まとまった金額を低金利で

普通闇金というと金利は少なくともトサン(10日で3割)、普通はトゴ(10日で5割)です。

 

そして「最初は少額で実績を積んで信用をつけて」と言われ、数万円しか貸しません。

 

しかし、この詐欺が提示する融資はまとまった金額を、銀行以下の低金利で、というものです。

 

宣伝文句の例

  • 300万円まで即日融資
  • 無担保・保証人不要
  • 固定金利0.5%
  • ブラックリストに載っていてもOK

 

常識的に考えてありえない条件ですが、追い詰められた人は「もしかしたらアリ?」と思うのです。

 

経営者やおまとめしたい個人が標的

被害事例をみると中小企業の経営者がよく引っかかっています。

 

資金繰りに詰まった会社に数百万円も貸してくれる金融業者はなかなかいません。

 

藁にもすがる気持ちで連絡してしまうのでしょう。

 

個人が対象の場合は、「複数のローンをおまとめできる」と勧誘されます。

 

月々4万円返済のローンを3社抱えていれば毎月12万円必要ですが、おまとめできれば楽になります。

 

どちらの場合も、借り手は死ぬほど借りたくなります。

 

業者のサイトやメールもしっかり作りこむ

架空の金融業者のサイトも有名消費者金融のサイトを真似てしっかり作りこむことが多いです。

 

そこに誘導して信用させるのです。

 

もしくは大手消費者金融のメールを改変したメールで勧誘することもあります。

 

一般企業の制作物のコピー改変なので、文言やデザイン、構成がしっかりしています。

 

それで「まっとうな金融業者みたいだ。闇金ではないようだ。」と思わせるのです。

 

信用補完のために保証金を要求

以上で準備ができました。

 

下記のような融資話です。

 

  • 他社ではありえない大きな融資額
  • 銀行よりも低い金利
  • 貸し手はサイトもしっかりしたまともそうな業者

 

「しかし、あなたは信用が不十分なので、保証金を積んでください。完済後には返金します。」

 

そういう話なのです。

 

これだと「確かに私は信用が不足で、やむをえないだろうな。でもその程度の保証金でそんなに借りられるなら・・・」

 

そう思う人も出てくるわけです。

 

「保証金」以外に、「保険料」「保証料」などの様々な名目が使われます。

 

1人の被害者に複数回に渡り、様々な費目を払わせる被害も発生しています。

 

保証金の要求の言い回しにはバリエーションがあります。

 

  • 信用度を確認するから××万円振込んでください。入金を確認後××万円融資します。
  • 信用に欠けるので、保証会社をつけて欲しい。その為に保証金○○円を保証会社に振り込んでください。
  • ○○円を一定期間預けてください。返済が滞りなく行われれば返還します。

 

最後の言い回しは、「支払う」というと警戒されるので「預ける」と言い換えています。

 

支払を受けると消息を絶つ

保証金を振り込み終えて融資を待っていると、相手は突如連絡不能になります。

 

「やはり信用に欠けるため、融資はできない」などと一方的に告げる場合。

 

もしくは、何も言わずに消えることもあります。

 

借入を決めた時に見たホームページももうアクセスできなくなっています。

 

これが金融を装った保証金詐欺の手口です。

 

肝に銘じてください!

 

融資する前にお金を払わせる(預けさせる)のは、すべて詐欺です!

保証金詐欺の被害事例

実際にどんな事件が起きているのか、報道からピックアップしてみました。

 

警察の統計情報なども紹介します。

 

 

2022年6月 島根県松江市 一般男性

30代男性が自分でみつけたサイトに融資を申し込み。

 

最初の7カ月分の返済額を先払いすると融資が受けられると言われ、約32万円を振込。

 

さらに保証会社に保険供託金の名目で20万円振り込み。

 

5回にわたる支払で132万円を騙し取られる。

 

2022年7月 三重県名張市 自営業男性

融資をあっせんするウェブサイトに連絡をして300万円の融資を申し込み。

 

「返済金」や「保全供託金」などを求められ、3回にわたり約90万円を振込。

 

融資は受けられず、連絡を絶たれ、きっかけになったウェブサイトも消滅していた。

 

参考: 最近の融資保証金詐欺に関する記事

 

2022年7月 鳥取県鳥取市 会社経営男性

インターネットで見つけた融資あっせんサイトに、自身が経営する会社への融資として500万円を申し込み。

 

融資決定の連絡の後、期日前返済を求められて34万円あまりを振込。

 

その後、さらに保全供託金を求められたためにキャンセルを申出。

 

すると連絡が取れなくなり、警察に届け出て被害が発覚。

 

参考: 山陰放送のサイト

 

減少傾向も若い被害者多し

こうした融資保証金詐欺の件数は、警視庁の統計では減少傾向にあります。

 

被害件数・総額の推移

年度 被害件数 被害総額
平成28年(2016) 428件 7億200万円
平成29年(2017) 548件 6億5900万円
平成30年(2018) 421件 6億2000万円
令和元年(2019) 348件 5億3700万円
令和2年(2020) 295件 3億9300万円
令和3年(2021) 156件 2億6900万円
令和4年(2022) 139件 2億1400万円

 

しかし、最近でも被害総額は2億円を超えています。

 

1件当たりの被害額が大きい詐欺なので、油断はできません。

 

働き盛りの男性に被害多し
オレオレ詐欺、預貯金詐欺、還付金詐欺など、他の特殊詐欺の被害者は65歳以上の高齢者が中心です。

 

しかし、融資保証金詐欺は、40歳未満が2割、40~64歳が3割。

 

つまり65歳未満の人の合計が全体の半数を占めます。

 

有名なM資金も保証金詐欺

読者はM資金詐欺について聞いたことがあるでしょうか?

 

昭和の時代から令和の現代まで、一流の芸能人や経営者が巨額の金を騙し取られてきた詐欺の手口です。

 

M資金とは?
第二次大戦で敗戦した日本は、しばらくの間、GHQの管理下に置かれました。

 

GHQとは、General Headquartersの略。 連合国最高司令官総司令部のことです。

 

GHQは財閥解体を進める中で、巨額の財産を接収しました。

 

その資金が戦後秘密裡に運用され、特別な成功を収めた者にだけ、融資の誘いが来るというのです。

 

M資金のMは、GHQ経済科学局の第2代局長であった少将ウィリアム・マーカットの頭文字とするのが定説。

 

ただ、諸説あります。

 

特別な成功者が標的
こんな徳川埋蔵金のような話を常識ある人は信じないでしょう。

 

しかし、一代で巨万の富を築いた人は、自分は特別な人間だから特別な話が来ると信じるようです。

 

この特別意識を刺激するのが、一流の成功者を騙す秘訣らしいです。

 

で、詐欺の内容は、数百~数千億円の融資を受けるために数億~数十億の保証金が必要というものです。

 

完全に保証金詐欺ですね?

 

被害者たち
昭和の名優、田宮二郎は1978年に猟銃で自殺しました。

 

その後も大企業の社長が何人も被害に遭っています。

 

最近では、コロワイドの創業会長が32億円の被害に遭いました。

 

コロワイドは、かっぱ寿司や牛角、大戸屋などのブランドを擁する巨大外食グループです。

 

参考: コロワイド会長を騙した男に懲役8年

保証金詐欺の予防法と対処法

こうした保証金詐欺を避けるにはどうしたらいいでしょう?

 

そして実際に被害に遭ってしまった場合は?

 

簡潔にまとめました。

 

 

融資保証金詐欺の予防法

この詐欺の被害回復は難しいので、まずはかからないことが一番です。

 

融資前に振込を要求するのは全て詐欺
一般的な貸金業で融資前に保証金を求めるようなことはありません。

 

住宅ローンの融資の際に団体信用生命保険(団信)への加入を求められるのは例外です。

 

融資前に支払いを求められた時点で警察に相談することです。

 

融資会社を調べる
まず会社が実在するか調べてください。

 

実在の会社なら「会社名 法人番号」を検索すると、法人登記の情報が出てくるはずです。

 

そこで住所や事業内容の一致を確認します。

 

金融庁の「登録貸金業者情報検索サービス」を利用して、登録があるか確認します。

 

金融庁の「登録貸金業者情報検索サービス」

 

無登録での貸金業経営は違法です。

 

有名な会社に見えても、その会社のサイトやメールをコピー改竄している場合があります。

 

本物の会社名を検索して、電話番号が一致するか確認してください。

 

周囲の人に相談する
追い詰められた状態で一人だと判断を誤ります。

 

家族や友人に相談してみてください。

 

経営者なら、窮状を明かしても問題ない経営者の友人がいたら、よい相談相手です。

 

被害に遭った時の対策

まず警察に相談することです。

 

参考: 警察庁 特殊詐欺対策ページ

 

それに次ぐ相談相手は弁護士です。

 

どちらも融資会社には何も言わずに相談してください。

 

怪しんでいる気配を見せた段階で相手は連絡を絶ち、お金も引き出して回収不能になります。

 

相手が引き出す前に口座を凍結できれば、回収できる可能性があります。

闇金対応におすすめの法律家

弁護士に相談と言われても、どこに相談したらいいかわからないでしょう。

 

弁護士にはそれぞれ得意分野があります。

 

この分野に実績がある事務所をひとつ紹介しておきます。

 

シン・イストワール法律事務所

闇金対応と債務整理の世界ではとても有名な弁護士事務所です。

 

普通の闇金以外の詐欺被害にも幅広い経験を持っています。

 

企業相手の偽装ファクタリングへの対応もやっている数少ない事務所のひとつです。

 

警察との連携が密接な点も安心です。

 

ヤミ金被害相談ならイストワール法律事務所

 

事務所は東京都ですが、北海道~沖縄まで全国対応(離島も対応可)してくれます。

 

代表弁護士 山下 信章 / 第二東京弁護士会所属 登録番号:53822

 

最寄り駅: 東京メトロ有楽町線 麹町駅

 

フリーダイアル 0120-547-323

 

シン・イストワール公式ページ

 

他の選択肢

上記2社を含め、闇金に対応できるおすすめの法律家を集めて紹介しているページがあります。

 

それにとどまらず、ヤミ金に関する情報を包括的に紹介しているので、非常に参考になるはずです。

 

闇金問題を解決できる弁護士・司法書士